<都立中学>都立中高一貫校と進学指導重点校を比較する

 

 

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都が力を入れる中高一貫教育と進学指導重点校教育

 

東京都の高等教育では、一般の都立高校に加えて、中等教育学校や高校の附属中学校といった併設型の中高一貫校がこの十年で整備されました。

 

一方、都立高校の改革では学区制の廃止から始まり、「進学指導重点校」、「進学指導特別推進校」、「進学指導推進校」といった一定の基準によりランク分けされるようになりました。

その結果、日比谷を始めとする「都立高校の復権」と呼ばれるような大学合格実績が出てきています。

 

「中高一貫校」と「重点校選定」のこの2つの取り組みは別物ですが、興味があるのは、小石川をはじめとする都立中高一貫校が重点校選定の基準で考えると、どのランクになるかということです。

 

理由は、東京都が今までの教育政策の検証をする際に、都立中高一貫校と都立の重点校が比較・評価されるのは当然だからです。

 

別記事で国立の附属校や都立トップ校と共に都立中高一貫校の合格実績を比較してみましたが、今回は、「進学指導重点校」「進学指導特別推進校」「進学指導推進校」といった都の重点校の基準に都立の中高一貫校を当てはめて比較してみようと思います。

 

参考<大学合格実績>2018年 主要都立中学・都立高校・国立中学まとめ

<大学合格実績>2018年 主要都立中学・都立高校・国立中学の実績をまとめる
2018年の都立中高一貫校(都立中学)、都立高校、国立高校(中学)の東大・京大など国立大学および早稲田・慶應など主要私立大学の大学合格実績をまとめました。対象は小石川・武蔵・両国などの全都立中学、日比谷・西・国立など主要都立高校、筑駒・筑波・学芸・お茶の水など国立高校。

 

都立高校のランク分けと評価基準

「進学指導重点校」「進学指導特別推進校」「進学指導推進校」の3つの目標とする学校像と条件および指定された高校をまとめていきます。

 

進学指導重点校

都立高校の最上位ランクです。

 

<目指す学校像>
将来の日本のリーダーとなり得る高い資質をもった生徒に対し、国家や社会に対する責任と使命を自覚させるとともに、思考力、判断力、表現力を鍛え、難関国立大学等への進学希望も実現させることのできる学校が選ばれます。

 

<進学指導重点校>
日比谷、西、国立、八王子東、戸山、青山、立川の7校

特徴としては、旧学区制の各学区のトップ校が並んでいます。

 

進学指導重点校の選定基準

基準は大きく2つ。

基準1:センター試験結果(現役)
① 5教科7科目で受験する者が、おおむね在籍者の6割以上
難関国立大学等に合格可能な得点水準(おおむね8割)の者が受験者に占める割合、おおむね1割以上

 

基準2:難関国立大学等 現役合格者数 15人

※難関国立大学等の定義:東京大学、一橋大学、東京工業大学、京都大学、国公立大学の医学部医学科

 

つまりセンター試験(5教科7科目)ですから

現役で国公立志望の学生が60%、その内上位10%(全体の6%)は東大、京大、一橋、東工大、国公立の医学部に合格するような高校が「進学指導重点校」に指定されます

 

数字としては、だいたい都立高校、1学年320-330人程度なので、最低でも20人程度が「東京一東工・国公立医学部医学科」に進学する高校が該当します。

 

進学指導特別推進校・進学指導推進校

ランクとしては、「進学指導特別推進校」、「進学指導推進校」の順番で続きます。

 

<目指す学校像:進学指導特別推進校>

将来の日本のリーダーとなり得る高い資質をもった生徒に対し、国家や社会に対する責任と使命を自覚させるとともに、思考力、判断力、表現力を鍛え国公立大学(四年制)、難関私立大学等への進学希望も実現させる学校です。

こちらには数値の基準はありませんが、国公立大学(四年制)、難関私立大学への合格実績が検証資料の評価指標になっています。

※難関私立大学の定義:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学

 

<進学指導特別推進校>

小山台、駒場、新宿、町田、国分寺、国際、小松川の7校

特徴としては、各校とも学区制だった時の各学区の2番手校といえます。小松川はもともと進学指導推進校でしたが、実績が良かったので繰り上がりました。

 

<目指す学校像:進学指導推進校>

高い将来の目標に向かって自ら進路選択ができ、意欲的に勉学に取り組む生徒の進学希望をかなえることのできる学校とする。

評価資料を読むと、難関国立大学、国公立大学(四年制)、難関私立大学に加えて、「GMARCHR」も評価対象になります。

 

<進学指導推進校>

三田、豊多摩、竹早、北園、墨田川、城東、武蔵野北、小金井北、江北、江戸川、日野台、調布北、多摩科学技術の13校

 

<参考>東京都の評価基準として用いられる指標は以下の4つ
①「難関国立大学等」や「難関国立大学+医学部」
(東大、一橋、東工大、京大、国公立大学医学部医学科
②「国公立大学」(上記を除く国公立大学(医学部医学科以外))
③「難関私立大学」(早慶上智)
④「GMARCHR」(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政、東京理科)

 

都立中高一貫校を都立高校のランクと比較

進学指導重点校と比較する

都が定める「進学指導重点校」の基準は2つでした。

①生徒の60%が国公立を受け、その内10%が難関国立大学の合格基準に達すること。(≒つまり生徒の6%以上が難関国立大学に現役合格

②難関国立大学の合格者15名以上
(ただし、1学年の生徒数が都立高校は300名程度、中等教育学校は160名~180名程度)

 

ただし②の「15名以上」の条件は、都立中高一貫校では生徒数が半数程度のため評価軸になりにくいので、①の「生徒の6%以上が難関国立大学に現役合格」を重視し、現役難関国立大学合格率にて、「進学指導重点校」と「都立中高一貫校」を表に並べてみました。

 

結果として

都立中高一貫校では「小石川」「武蔵」「両国」「桜修館」「南多摩」は、「進学指導重点校」の基準をクリアできる可能性が高い

 

また「白鴎」「立川国際」に関しては微妙です。

「進学指導重点校」の「立川」「八王子東」と同じぐらいなのですが、この2校は「進学指導重点校」から「外れるのでは」と懸念を持たれていた高校だからです。(結果、継続になりましたが、多摩地区西部に重点校を設置せざるを得ない地理的な事情もあるといわれています)

 

一方、「大泉」「三鷹」「富士」の3校は2018年度の結果では、難しいといえます。

 

2018
現役のみ
難関国立
大学合格
割合
難関国立大学 合格者数 (参考)
学年
生徒数
東大 一橋 東工大 京大 国公立
医学部
医学科
合格者数
合計
日比谷 20.3% 33 16 3 4 10 66 325
小石川 15.5% 11 1 7 2 3 24 155
西 10.6% 10 6 5 6 7 34 320
武蔵 10.4% 11 6 1 1 1 20 193
国立 9.0% 7 12 2 6 2 29 321
両国 7.4% 2 3 7 0 2 14 188
桜修館 7.2% 5 3 2 0 1 11 152
戸山 6.8% 5 6 6 2 3 22 323
南多摩 6.5% 5 2 2 0 1 10 155
青山 6.2% 5 10 3 1 1 20 321
白鴎 5.7% 6 4 2 0 1 13 229
立川国際 5.4% 3 3 1 0 1 8 149
立川 4.5% 1 3 8 1 1 14 314
八王子東 4.1% 0 8 4 1 0 13 316
大泉 2.7% 2 1 0 0 2 5 188
三鷹 2.7% 1 3 0 0 4 149
富士 1.0% 0 0 1 0 1 2 193

 

では次に、「大泉」「三鷹」「富士」の3校と進学指導特別推進校を比較します。

 

進学指導特別推進校と比較する

都立中高一貫校の「大泉」「三鷹」「富士」の3校と、進学指導特別推進校の「小山台」「駒場」「新宿」「町田」「国分寺」「国際」「小松川」の7校を比較していきます。

東京都の評価指標は、国公立大学(四年制)、難関私立大学への合格実績を利用していますので、ここでも、国公立大学(四年制)、難関私立大学への合格実績で比較します。

 

結果は、下の図のようになりますが、進学指導特別推進校のトップレベルに「三鷹」が「国分寺」や「新宿」と共にある形で、中位程度に「大泉」「富士」が位置します。

また、「国際」が国公立の合格が異常に少ないのですが、国際高校は海外の大学への進学に力を入れているので、一概には比較しづらいところがあります。

 

<国公立大学(四年制)>

2018
現役のみ
国立大学合格割合 国公立
大学
学年
生徒数
国分寺 31.6% 100 316
三鷹 29.5% 44 149
新宿 24.8% 79 318
小山台 23.7% 75 317
富士 22.3% 43 193
小松川 22.2% 73 328
大泉 18.6% 35 188
町田 17.7% 55 310
駒場 13.6% 48 353
国際 7.0% 16 230

 

<難関私立大学>

2018
現役のみ
難関私立
合格割合
早稲田 慶應 上智 合計 生徒数
国際 37.4% 37 18 31 86 230
三鷹 31.5% 17 18 12 47 149
国分寺 25.3% 42 13 25 80 316
新宿 24.5% 44 21 13 78 318
大泉 19.7% 19 6 12 37 188
富士 16.6% 17 4 11 32 193
駒場 15.0% 34 5 14 53 353
小松川 14.3% 28 6 13 47 328
町田 12.9% 22 7 11 40 310
小山台 10.1% 21 8 3 32 317

 

 

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