<白鴎・富士>2019年の大学合格実績が気になる2校<併設型・先取り学習>

 

8/2:白鴎・富士の中途募集者数(≒中退者数)・率について
ご指摘により修正しました。

 

示唆に富む内容でいつも読んでいる、港区三田にある都立中学・都立高校向けの塾、「三田学院」さんのホームページにあるブログで、気になったことがありました。

 

【都立中】中退リスク|三田学院
【都立中】中退リスク |

 

内容を読んでいただきたいのですが、かいつまむと、

都立高校の補欠募集の資料から、併設型都立中高一貫校における補欠募集(=中途募集・退学者穴埋め)数が、他の都立高校(進学指導重点校など)と比較して顕著に多い。理由としては習熟度、学力のミスマッチによる可能性があるのでは?というお話でした。

 

この話に刺激され、併設型都立中高一貫校と進学指導重点校、進学指導特別推進校の過去の補欠募集者の推移を調べてみました。



都立高校の退学者数について(重点校・中高一貫校)

都立高校の中でも、トップの進学指導重点校に加えて、続くレベルの進学指導特別推進校。それに併設型の都立中高一貫校、それぞれの3か年にわたる補欠募集者数を整理します。

※小石川など、中等教育学校は補欠募集をしないので対象外
※在籍生徒数は資料により数名程度の誤差があると思われます
※ここで記載されている補欠募集者は「保護者の転勤等による都外からの一家転住者」以外(「一般」)の数値です

 

そして前提として、私立中高一貫校はこのような情報は公表しないので、私立との比較はできません。つまり、私立中高一貫校はもっとひどい状況かも知れませんし、いい状況かも知れません。

 

進学指導重点校 補欠募集者数(3か年)

<まとめ>
「日比谷」「西」「国立」などの進学指導重点校では、補欠募集者数(=退学者数)は、多くても数名で、総じて1%以下。低位で推移しています。

 

学校名 H28年度 H29年度 H30年度 生徒数
合計
H28年度
退学率
H29年度
退学率
H30年度
退学率
1年 2年 3年 1年 2年 3年 1年 2年 3年
日比谷 2 2 0 2 2 2 2 1 2 951 0.4% 0.6% 0.5%
戸山 2 1 0 2 0 1 2 0 4 948 0.3% 0.3% 0.6%
青山 2 0 0 2 2 0 2 0 1 951 0.2% 0.4% 0.3%
西 2 1 2 2 2 0 2 1 1 948 0.5% 0.4% 0.4%
八王子東 2 2 3 2 1 2 2 2 1 948 0.7% 0.5% 0.5%
立川 2 2 4 2 2 3 2 2 2 948 0.8% 0.7% 0.6%
国立 2 2 1 2 2 2 2 2 2 948 0.5% 0.6% 0.6%

 

進学指導特別推進校 補欠募集者数(3か年)

<まとめ>
今年から進学指導特別推進校になった「小松川」を除いては1ケタ。進学指導重点校よりは高めの傾向がありますが、それでも低位で推移しています。

最も高い退学率は、H30年度「小松川」の1.6%。

 

学校名 H28年度 H29年度 H30年度 生徒数
合計
H28年度
退学率
H29年度
退学率
H30年度
退学率
1年 2年 3年 1年 2年 3年 1年 2年 3年
三田 2 1 0 2 1 1 1 1 1 822 0.4% 0.5% 0.4%
新宿 2 2 0 2 1 2 2 0 1 948 0.4% 0.5% 0.3%
小山台 2 2 2 2 0 8 2 0 1 948 0.6% 1.1% 0.3%
駒場 2 0 0 2 2 3 2 2 3 828 0.2% 0.8% 0.8%
町田 2 0 5 2 0 0 2 2 9 951 0.7% 0.2% 1.4%
国分寺 2 2 2 2 3 2 2 2 5 948 0.6% 0.7% 0.9%
国際 0 0 4 0 0 0 0 0 0 675 0.6% 0.0% 0.0%
小松川 2 5 1 2 6 6 2 3 10 951 0.8% 1.5% 1.6%



併設型都立中高一貫校 補欠募集者数(3か年)

<まとめ>
併設型都立中高一貫校では、レベルの近い進学指導重点校や進学指導特別推進校と比較して、顕著に多くの補欠募集を毎年しています

 

その中で、年度によりあまり波がないのは、「武蔵」の1.5%~1.7%と、「大泉」の2.2%~2.7%、「富士」の4.1%~4.6%です。

 

「富士」の退学率はかなり高い一方、比較的武蔵」は低い退学率で維持しており、併設型都立中高一貫校として安定しているといえます。

※中等教育学校においては後期課程の募集がないので調査対象外

 

学校名 H28年度 H29年度 H30年度 生徒数
合計
H28年度
全学年
退学率
H29年度
退学率
H30年度
退学率
1年 2年 3年 1年 2年 3年 1年 2年 3年
白鴎 2 7 0 4 12 9 9 8 16 690 1.3% 3.6% 4.8%
両国 2 6 13 2 2 11 2 2 1 540 3.9% 2.8% 0.9%
富士 11 6 7 4 14 7 2 4 16 540 4.4% 4.6% 4.1%
大泉 2 5 7 3 3 10 2 5 6 585 2.4% 2.7% 2.2%
武蔵 2 4 3 2 3 4 2 1 7 600 1.5% 1.5% 1.7%



白鴎・富士の共通点と来年の大学合格実績

ここからが個人的に注目しているところです。

 

白鴎・富士の来年の大学合格実績で、併設型都立中高一貫校の今後の方向が確定される

 

<記事公開後、”東京太郎” さんより以下のご指摘を頂きました。お恥ずかしい限りですが、修正しました。>
そんなに退学者も中途入学者いませんよ。
2年生の補欠募集枠は単に1年前の欠員分から上乗せされているだけ。3年生の欠員は2年分にさらに上乗せされているだけ。
補欠募集しても応募者が集まらないのが併設型高校課程の実態。
情報は正しく分析しましょう。

 

白鴎の今年の3年生の補欠募集推移数:16名
H29年度に2年生として “12名”。H30年度(今年)3年生として “16名” を募集。(1年の時は “2名” )

富士の今年の3年生の補欠募集推移数16名
H28年度に1年生として “11名” とH29年度の2年生として “14名” とH30年度(今年)の3年生として “16名” を募集

 

白鴎は1学年だいたい230名、富士は1学年180名ですので、3年間でいなくなった人数は…

<誤>

白鴎  2+12+16=30名(16.7%)

<正>

白鴎  16名/230名(7.0%)

 

<誤>

富士  11+14+16=31名(22.8%)

<正>

富士    16名/180名(8.9%)

 

そして、
同級生が17%~23%いなくなった、この学年の生徒が大学受験をすることになります。

もともと、” 併設型 ”の中高一貫校の中でも、白鴎・富士はともに先取り学習をする学校です。
(あと武蔵も。)

 

ここからは個人の想像になりますが

1年は内部生と高入生別クラスで、2年から混合クラスになります。
もしかすると、この2校ではクラス運営が順調ではないのかもしれません。
特に高入生がついて行けていないかも。

 

また、中退者が多いということは、実績へのプレッシャーが強いのではないでしょうか?

 

特に「富士」は東京都の大学合格実績の評価基準(①難関国立 ②国公立+早慶上智 ③GMARCHR)では、厳しいところにあると思われます。

(詳しくは以下の記事を参照してください)

<都立中学>都立中高一貫校と進学指導重点校を比較する
都立中高一貫校(中等教育学校・併設型高校附属中学校)と都立高校の進学指導重点校を比較します。中高一貫は小石川や武蔵、両国、桜修館など、進学指導重点校は日比谷、西、国立、戸山などです。東京都の設置基準に沿ってランキングして整理しました。

 

そして、「都立中高一貫教育校検証委員会報告書」で併設型を6年一貫にする方向が打ち出されています。感想などは上の記事に書いていますが、今回の数字を見ると、「先取り学習をしている併設型において、学校運営の難易度が高く、高入生が学習の進度や環境について行けていない生徒がある程度発生してしまう」と東京都が認識している可能性があります。

 

一方、武蔵が小石川に並ぶ合格実績を出した現在、多くの補欠募集を出しつつ、同じようなカリキュラムを持つ白鴎と富士からどのような実績が出るか、来年また実績が出た時点で評価したいと思います。

 

<おすすめ記事>

<都立中学>都立中高一貫校としての先取り学習について
都立中高一貫校(都立中学)では、先取り学習の実施校と未実施校があります。国立・私立では、先取り学習を大学の合格実績につなげています。都立では、小石川など中等教育学校と併設型の武蔵・白鴎は先取りを実施、一方、両国などは未実施。都立中学選びの参考にして下さい。
<都立中学>併設型中高一貫校は中等教育学校へ移行する方向に
都立中高一貫校(都立中学)には、小石川など中等教育学校と武蔵など併設型中高一貫校があります。併設型の中高一貫校では6年一貫の教育ができないこと(先取り学習)の問題や、内部進学者と高入者の意識・学力・部活動の成績に大差があるため中等教育学校化される方向です。




<本記事に関する元データはこちら>

平成28年度 第二学期 補欠募集(転学・編入学) 全日制課程
http://www.metro.tokyo.jp/INET/BOSHU/2016/07/DATA/22q78100_03.pdf

平成29年度第二学期都立高等学校補欠募集(転学・編入学)実施結果 学校別一覧【全日制課程】
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/archives/transfer/files/subtutitute_2_2017_result/zenniti_itiran.pdf

平成30年度第二学期都立高等学校補欠募集(転学・編入学)実施結果 学校別一覧【全日制課程】
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/transfer/files/release20180629_01/betten3.pdf

平成30年度都立高等学校等第一学年生徒募集人員
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/10/12/documents/20_01.pdf

都立中学校・中等教育学校 学校経営シート
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/school/secondary_school/links.html

にほんブログ村 受験ブログ 公立中高一貫校受験へ

コメント

  1. 東京太郎 より:

    そんなに退学者も中途入学者いませんよ。
    2年生の補欠募集枠は単に1年前の欠員分から上乗せされているだけ。3年生の欠員は2年分にさらに上乗せされているだけ。
    補欠募集しても応募者が集まらないのが併設型高校課程の実態。
    情報は正しく分析しましょう。

    • noanoa111 noanoa111 より:

      ご指摘ありがとうございます。
      最初から、欠員=充足という勝手な自分の前提を入れておりました。

      「情報は正しく分析しましょう。」その通りです。
      別途数字を直したうえで、もう一度見直します。